Lotus DNA Library Prep Kit
酵素により断片化を行うため、高価な機器を必要としません。
断片化、末端修飾、dAテーリングを1つのチューブで行うことができ、短時間でライブラリの調製が行えます。
また、RNA-SeqやPCR-Freeシーケンス、低頻度変異の検出など、本キット1つで様々なアプリケーションに対応可能です。
価格と保管温度・有効期限
製品名 | 価格 | カタログ番号 | 納期 |
---|---|---|---|
Lotus™ DNA Library Prep Kit, 16 rxn | ¥35,300 | 10001073 | 通常1-2週間 |
Lotus™ DNA Library Prep Kit, 96 rxn | ¥190,550 | 10001074 |
保管温度:−20℃で保存して下さい。内容物のうちElution bufferのみ室温保存して下さい。
有効期限:納品から6ヶ月
※ ライブラリを完成させるためにはアダプターが別途必要になります。詳細はこちらをご確認下さい。
サービスの特徴
本キットはIlluminaシーケンサー用のライブラリを作成でき、PCRフリー、ターゲットシーケンス等の各アプリケーションにも対応しています。
- 高価な断片化機器等を使用せずに、均一なカバレッジデータを取得できます。
- 簡便かつ迅速なワークフローでライブラリが完成します。
- 別途IDTより提供しているアダプターや、ターゲットキャプチャー用のxGen製品を用いて、ご希望のアプリケーションにあわせたライブラリを作製できます。
アプリケーション
- 全ゲノムシーケンス(WGS)
- PCR-freeシーケンス
- 生殖細胞系での一塩基多型(SNVs)や挿入/欠失(indels)の検出
- キャプチャープローブを用いたターゲットシーケンス(エクソームやご希望の転写産物等)
- SNVsやindels等の低頻度な体細胞変異の検出
- 完全長二本鎖DNAサンプルのRNA-Seq
- メタゲノミクスシーケンス
ワークフロー
- 酵素を用いた調製
二本鎖DNAの断片化、末端修復、dAテーリングを一つのチューブで行います。 - 完全長または部分的(stubby)アダプターのライゲーション
完全長アダプターを使用する場合、最後のPCRステップはライブラリ収量を増やすためのオプションです。truncated adapterとも呼ばれる部分的(stubby)アダプターでは、P5/P7配列およびインデックス配列を追加するために、プライマーによるPCR増幅が必要です。 - PCR増幅オプション
使用したアダプターおよびサンプルによって、ライブラリのPCRを行って下さい。PCR後にビーズ精製によって、小さなフラグメント等を除去します。
Lotusキットの概要
アダプターは、サンプルおよび目的に応じて別途ご用意下さい。 表1は、本キットの仕様の詳細を示しています。
表1. Lotus DNA Library Prep Kitの仕様
容量 | 16 反応 96 反応 |
サンプルの種類 (サンプルは提供していません) |
新鮮なFFPE由来の二本鎖DNA ゲノムDNA 完全長の二本鎖DNA |
DNAインプット量 | 1–250 ng |
インサートサイズの目安 | 全ゲノムシーケンス:350 bp キャプチャープローブによるターゲットシーケンス:200 bp |
アダプター (詳細は表2に記載) |
・完全長アダプター:PCR増幅不要 ※オプションとしてPCR増幅可 ・Stubby (truncated)アダプター:PCR必須 |
Elution bufferは室温で、他の試薬は-20℃で保管して下さい。
有効期限は納品から6ヶ月です。
アダプター
■ xGen™ Stubby Adapter and UDI Primer Pairsと合わせてご利用頂けます
16サンプル調製時 | 96サンプル調製時 | |
---|---|---|
Lotus DNA Library Prep Kit | ¥35,300 | ¥190,550 |
xGen™ Stubby Adapter and UDI Primer Pairs | ¥8,265 | ¥43,775 |
合計価格 | ¥43,565 | ¥234,325 |
1サンプルあたりの価格 | ¥2,723 | ¥2,441 |
xGen™ Stubby Adapter and UDI Primer Pairs以外にも、IDTでは高品質かつ多様なアダプターおよびインデックスをご用意しております(表2)
表2. Lotus DNA Library Prep Kitを使用する際のアダプター選択例
アプリケーション | 第一選択 | 代替可能 |
---|---|---|
・全ゲノムシーケンス ・メタゲノミクスシーケンス ・PCR-freeシーケンス(≥100 ng インプット) |
TruSeq™-Compatible Full-length Adapters | xGen Dual Index UMI Adapters—Tech Access |
・全ゲノムシーケンス ・PCRを加えたメタゲノミクスシーケンス(1~250ng インプット) ・エクソームシーケンス ・生殖細胞系でのターゲットシーケンス(SNVsやindels) |
TruSeq™-Compatible Stubby Adapters and Indexing Primers |
TruSeq™-Compatible Full-length Adapters もしくは、 xGen Dual Index UMI Adapters—Tech Access |
・低頻度(~1%)の変異検出 | xGen Dual Index UMI Adapters—Tech Access | ― |
・完全長二本鎖DNAサンプルのRNA-seq | xGen Dual Index UMI Adapters—Tech Access | TruSeq™-Compatible Full-length Adapters |
キャプチャープローブによるターゲットシーケンスのための完全なワークフロー
Lotus Kitを用いて取得したデータ例
Lotus DNA Library Prep Kitは、サンプル間のバイアスが少なく、安定して均⼀なカバレッジを取得できます。図2では、PCR-freeまたはPCR増幅の各条件で調製したライブラリで、Normalized coverage 1近くに集中してデータが取得出来ており、GC含量に関わらず均一なカバレッジが取得出来ることを示しています。

図2. PCR-freeおよびPCR増幅を行った何れのライブラリでも、均⼀なカバレッジな取得可能
100 ngのヒトゲノムDNA(NA12878、Coriell)から、完全⻑UDI-UMIアダプター(IDT)を使⽤して、PCR-freeまたはPCR増幅(4 cycle)の条件でライブラリ調製を行いました。PCR-freeのライブラリはMiSeq(Illumina)、PCR増幅したライブラリはHiSeq 4000(Illumina)でシーケンスをしております。
■青と■水色は各ライブラリのNormalized coverage、灰色のヒストグラムは100 bpで分割した際の数をGC含量ごとに表示しています。
■ Lotus DNA Library Prepは、ターゲットシーケンスにおいて優れたカバレッジと均一性を取得可能
IDTのアダプターとxGen Lockdown ProbesおよびPanelは、IDT独自の厳格な製造方法によって、NGSアプリケーションに重要な高品質オリゴを合成しています。
IDTで合成したアダプターやキャプチャープローブを、Lotus Kitと組み合わせてターゲットシーケンスを行うと、安定して均一なシーケンスカバレッジが取得できます(図3-4)。

図3. 体細胞変異検出用のカスタムxGen Lockdownパネルを使用した、各インプット量のカバレッジ
ヒトゲノムDNA(NA12878、Coriell)から、完全長アダプターを使用してライブラリ(10、25、250 ng)を調製し、カスタムxGen Lockdownパネルで75 kbのターゲット領域を濃縮しました。
濃縮したライブラリはNextSeq(Illumina)でシーケンスし、500,000リードをサブサンプリングしました。各インプットごとの平均カバレッジを示しています(n=6)。

図4. xGen Exome Research Panelを用いた均一なシーケンスカバレッジにより、シーケンスコストを削減可能
(A)100 ngのヒトゲノムDNA(Coriell)から、stubbyアダプターを使用してライブラリを調製し、xGen Exome Research Panelを用いて濃縮しました。
濃縮したライブラリをNextSeq(Illumina)でシーケンスし、50Mリードをサブサンプリングしました。
Picardを用いて解析した本データは、duplicateが5.3%、オンターゲット率が90.2%と深く均一なカバレッジを示しています。
(B)xGen以外のキャプチャー技術ではカバレッジの取得が難しい、RB1遺伝子のExon 1および2のカバレッジを示しています。
■ 微生物解析に使用可能
各株のゲノムから取得した結果は、インプット量(1、10、25 ng)に関わらず一貫しており、予想される結果と相関しています(図5A)。
また各ゲノムサンプルのGC含量に関わらず安定してデータが取得できており(図5B)、ゲノムのサイズ、インプット量、GC含量は結果に影響しません。

図5. ゲノムのサイズ、インプット量、GC含量が変動しても、メタゲノム解析の結果に影響はない
(A)MSA-1000™マイクロバイオームスタンダード(ATTC、微生物群10株)から、完全長アダプターを用いてP5/P7プライマーでPCR増幅し、ライブラリ調製を行いました。
(B)5 ngのMSA-1000ゲノムDNAからライブラリ調製しました。様々なGC含量の3株に関して、Normalized Coverageをラインで、各GC%での100 bp領域の数はヒストグラムで表示しています。
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