Thermo Scientific™ NanoDrop™ を用いたオリゴヌクレオチドの正確な定量
― 4つのヒント ―
オリゴヌクレオチドにはそれぞれ固有の変換係数があることをご存知ですか?
Thermo Scientific社のNanoDropを用いてオリゴヌクレオチドの濃度を正確に定量する方法について解説します。
弊社とThermo Fisher Scientific社の科学者が共同してお勧めする方法です。
2018年1月29日
Thermo Scientific社のNanoDropを用いてオリゴヌクレオチドの濃度を正確に定量する方法について解説します。
弊社とThermo Fisher Scientific社の科学者が共同してお勧めする方法です。
2018年1月29日
NanoDrop(Thermo Fisher Scientific社)は使いやすく、測定も迅速かつ正確なので、DNAオリゴヌクレオチド、二本鎖DNA、RNAといった各種核酸分子の定量によく使われます。
特にオリゴヌクレオチドを測定する場合には、正確に測定値を読み取るためにNanoDropのパラメータの調整が必要になることがありますので、各オリゴの特性をよく知っておくことが大切です。
特にオリゴヌクレオチドを測定する場合には、正確に測定値を読み取るためにNanoDropのパラメータの調整が必要になることがありますので、各オリゴの特性をよく知っておくことが大切です。
弊社とThermo Fisher Scientific社は共同で実験をおこない、テクニカルレポートを作成しました。
Accurate oligonucleotide quantification using Thermo Scientific NanoDrop instruments (Thermo Scientific NanoDropを用いたオリゴヌクレオチドの正確な定量)です。
以下に、NanoDropを用いてオリゴヌクレオチドの正確な定量をおこなうために推奨される手順の調整について、簡単に説明します。
Accurate oligonucleotide quantification using Thermo Scientific NanoDrop instruments (Thermo Scientific NanoDropを用いたオリゴヌクレオチドの正確な定量)です。
以下に、NanoDropを用いてオリゴヌクレオチドの正確な定量をおこなうために推奨される手順の調整について、簡単に説明します。
1. 一本鎖DNA(ssDNA)変換係数ではなく、オリゴヌクレオチド変換係数である 33 μgあたりのA260を用いる
オリゴヌクレオチドは短い一本鎖分子です。そのUVスペクトルと吸光係数は、長鎖のssDNA分子やRNA分子と比べると、塩基組成と配列によってかなり異なります。
そのため、正確に定量するには、測定したオリゴ固有の変換係数を求めて使用してください。
sample typeメニューから[custom]か[oligo]オプションを選択すると、NanoDropソフトウェアが正確に定量をおこないます。
そのため、正確に定量するには、測定したオリゴ固有の変換係数を求めて使用してください。
sample typeメニューから[custom]か[oligo]オプションを選択すると、NanoDropソフトウェアが正確に定量をおこないます。
2. NanoDropソフトウェアのMicroArrayモジュールを使って、修飾オリゴヌクレオチドを測定する
オリゴヌクレオチドの5′末端や3′末端に付加された修飾基の多くは光を吸収するため、定量値に影響を及ぼすことがあります。したがって、修飾オリゴヌクレオチドでは、正確に定量するために補正係数を用います。
NanoDropソフトウェアを用いてこの値を得るにはMicroArrayモジュールを使います。このモジュールは修飾基による吸光度を自動補正します。
NanoDropソフトウェアを用いてこの値を得るにはMicroArrayモジュールを使います。このモジュールは修飾基による吸光度を自動補正します。
3. 希釈液を調製し、1mmか0.2mmの光路長を吸光度測定に用いる
NanoDropでは、複数の光路長を用いて広範囲の濃度の核酸を測定できます。しかし、装置が許容できる誤差の値は光路長が短くなるにつれて大きくなっていきます。
最も正確な定量値は、吸光度が12.5未満になるよう希釈したオリゴヌクレオチドを測定した場合に得られます。このような希釈をおこなうことによって、1mmか0.2mmの光路長で吸光度測定をおこない、測定誤差を小さくします。
Beer-Lambertの式を用いてオリゴヌクレオチド原液の吸光度の近似値を求めます:
最も正確な定量値は、吸光度が12.5未満になるよう希釈したオリゴヌクレオチドを測定した場合に得られます。このような希釈をおこなうことによって、1mmか0.2mmの光路長で吸光度測定をおこない、測定誤差を小さくします。
Beer-Lambertの式を用いてオリゴヌクレオチド原液の吸光度の近似値を求めます:
- A = ε b c
- A=吸光度
- ε=モル吸光係数 (L/(mol·cm)、メーカーから入手できます)
- b=経路長(cm)
- c=濃度(M、mol/L)
4. 340nmの光を吸収する修飾基があるオリゴヌクレオチドの既定のベースライン補正をオフにする
NanoDropの測定条件の既定値は340nmに設定されています。この補正は、結果を歪めるおそれのある光の散乱現象の調整に必要です。
しかしながら、ある種のオリゴヌクレオチド修飾基はこの波長の光を吸収するため、この修正をおこなうと結果が不正確になることがあります。
しかしながら、ある種のオリゴヌクレオチド修飾基はこの波長の光を吸収するため、この修正をおこなうと結果が不正確になることがあります。
また、核酸試料中のさまざまなコンタミネーションの存在指標として用いられている従来の純度比(A260/280およびA260/230)はオリゴヌクレオチドにはあてはまらないことにもご留意ください。
これは、オリゴヌクレオチドのUVスペクトルの形状が塩基組成によって大きく異なるためです。
Technical report [テクニカルレポート]にこのような調整をおこなう理由と手順について詳細な説明があります:
Accurate oligonucleotide quantification using Thermo Scientific NanoDrop instruments (Thermo Scientific NanoDropを用いたオリゴヌクレオチドの正確な定量)
これは、オリゴヌクレオチドのUVスペクトルの形状が塩基組成によって大きく異なるためです。
Technical report [テクニカルレポート]にこのような調整をおこなう理由と手順について詳細な説明があります:
Accurate oligonucleotide quantification using Thermo Scientific NanoDrop instruments (Thermo Scientific NanoDropを用いたオリゴヌクレオチドの正確な定量)
References
原文:4 tips for accurate oligonucleotide quantification using Thermo Scientific™ NanoDrop™ instruments
著者:Bahri Karaçay, PhD, Scientific Writer, IDT.
翻訳:安井 孝彰
著者:Bahri Karaçay, PhD, Scientific Writer, IDT.
翻訳:安井 孝彰
製品フォーカス
プライマー(Custom DNA Oligos)
60塩基まで最小スケールで合成出来るDNAオリゴヌクレオチド合成サービスです。IDTは品質に強いこだわりがあるため、すべての合成DNAに対して品質確認を行っております。
Ultramer
45 ~ 200 塩基まで合成出来る一本鎖DNAです。通常の1本鎖DNA合成よりもさらに純度が高いため、品質が要求されるアプリケーションにオススメです。
また、比較的長い1本鎖DNAを合成できるため、ゲノム編集にもよく使われています。
純度の高さはDNA合成時のカップリング効率に依存します。詳細は、リンク先にてご覧下さい。
RNA合成(Custom RNA Oligos)
IDTのRNA合成サービスです。IDTで合成したRNAでないと、結果がでなかったと感想を頂いたこともあります。RNAに品質を求める場合にぜひお試しください。