遺伝子/ DNAの変異/多型検出キット: Surveyor® Mutation Detection Kits

Surveyor® Mutation Detection Kitsは、遺伝子やDNAの変異や多型を検出するキットです。セロリ由来の、変異箇所を特異的に切断するヌクレアーゼ(CELファミリー蛋白質)、Surveyor Nucleaseの特徴的な活性を利用するキットです。主要な変異解析法として、多くの研究者に広く使用されています。この度、IDT製品サービスのラインナップに加わりました。
主な用途
  ゲノム編集実験(TALE Nuclease、CRISPR/Cas9等)での変異導入有無の確認
  がん遺伝子の変異解析

Surveyor Nucleaseの作用

2本鎖DNA内のミスマッチ箇所特異的なエンドヌクレアーゼです。ミスマッチ箇所の3'側を切断します。
Surveyor Nucleaseの作用イメージ

キットの原理と実験の流れ

キットの原理と実験の流れイメージ
  1. ゲノムDNA抽出: 
    解析対象のテストサンプル(上の図では変異型と想定)、及び野生型のコントロールサンプルから、ゲノムDNAを抽出する。
  2. PCR増幅: 
    変異が入っていると想定される箇所を増幅するプライマーセットによるPCRを行う。
  3. 熱処理による1本鎖化: 
    2つのサンプル由来のPCR増幅断片を1本のチューブの中に入れ、熱処理により2本鎖を乖離させ、1本鎖にする。
キットの原理と実験の流れイメージ
  1. 再会合による2本鎖化: 
    クールダウンを行い再会合させる。このときにコントロールサンプル由来の野生型の1本鎖と、テストサンプル由来の変異型の1本鎖との組み合わせの2本鎖もできる。この組み合わせの2本鎖の中にミスマッチ箇所ができる。
  2. Surveyor Nuclease処理: 
    Surveyor Nucleaseが、2本鎖の中のミスマッチ箇所を切断する。
  3. 電気泳動による検出: 
    サンプル内のDNAを電気泳動で分画し、Surveyor Nuclease処理による2本鎖の切断が起こったかどうかを確認する。複数のバンドが観察されれば、変異型の細胞がテストサンプルに含まれていることが分かる(電気泳動像の右側レーン)。さらに、切断されたバンドの長さを確認することによりその変異の具体的な場所を、及びバンドの濃さからテストサンプル中に含まれる変異型の割合を、おおよそ同定することができる。
使用例
SurveyorR Mutation Detection Kits使用例
野生型コントロールサンプル(Homoduplex)、変異型のDNAを含む3サンプル(#26, #3, #13)を用いて変異検出実験を行った。変異箇所を含む584bpの断片をTransgenomic社のOptimase® PolymeraseでPCR増幅し、得られたPCR増幅断片160ngを1 uLのSurveyor Nucleaseで42℃、20分処理した。そのうちの120ngを2.5%アガロースゲル電気泳動し、エチジウムブロマイド染色し、以下を確認できた。
  • 変異型1(#26)
    1塩基置換の変異型DNAを1種類含むサンプルのため(T>C置換)、242bpと342 bpの組み合わせで、合計2本の切断断片が検出される。
  • 変異型2 (#3)
    1塩基置換の変異型DNAを2種類含むサンプルのため(A>G、T>C置換)、135bpと449 bp、220bpと364 bpの組み合わせで、合計4本の切断断片が検出される。
  • 変異型3 (#13)
    1塩基欠失あるいは1塩基置換の変異型DNAを合計3種類含むサンプルのため(1塩基欠失、T>C、C>A置換)、120bpと464 bp、170bpと414 bp、226bpと358 bpの組み合わせで、合計6本の切断断片が検出される。

プロトコール(User Guide)・製品概要(Product Sheet)・MSDS・使用文献リスト

Surveyor® Mutation Detection Kit (Sシリーズ:IDT-706025、IDT-706020、IDT-706021)

プロトコール (User Guide)(PDF :576KB)
製品概要 (Product Sheet)(PDF :262KB) 
MSDS (PDF :155KB) 

Surveyor® PLUS Mutation Detection Kit (Wシリーズ:IDT-706035、IDT-706030、IDT-706031)

プロトコール (User Guide)(PDF :773KB) 
製品概要 (Product Sheet)(PDF :257KB) 
MSDS (PDF :155KB) 

Surveyor® Kits
使用文献 (PDF :276KB) 

検出方法と製品設定

電気泳動で検出:Surveyor® Mutation Detection Kits(Sシリーズ)
 Surveyor Nucleaseにより切断されたDNA断片を、電気泳動により検出します。
WAVEシステムで検出:Surveyor® PLUS Mutation Detection Kits(Wシリーズ)
 Surveyor Nucleaseにより切断されたDNA断片を、Transgenomic社のWAVEあるいはWAVE HSシステム(ion-pairing reverse-phase HPLC)により検出します。

価格・納期予定

用法 製品名 容量 Code No. 価格(税別) 納期予定
電気泳動で
検出
(Sシリーズ)
Surveyor_ Mutation Detection Kit _ S25 25反応 706025 \16,800 1~2営業日
Surveyor_ Mutation Detection Kit _ S100 100反応 706020 \56,000 1~2営業日
Surveyor_ Mutation Detection Kit _ S1000 1000反応 706021 \480,000 数週間
WAVEシステム
で検出
(Wシリーズ)
Surveyor_ PLUS Mutation Detection Kit _ W25 25反応 706035 \16,800 数週間
Surveyor_ PLUS Mutation Detection Kit _ W100 100反応 706030 \56,000 数週間
Surveyor_ PLUS Mutation Detection Kit _ W1000 1000反応 706031 \480,000 数週間
※ Sシリーズの25回分(Code No. 706025)と100回分(Code No. 706020)は国内在庫があります。ただし国内在庫が一時的に無くなった場合及びこれら以外の4品目は、正式受注してから納品まで数週間かかります。


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発注方法・納品方法

ウェブサイトからご発注頂くか、品番・品名・数量を指定し、代理店様へ発注してください。
納品は代理店様経由です。


保存方法

-20℃保存です。


本キットの日本における販売について

IDTのSurveyor® Mutation Detection Kits(本キット)は、米国Transgenomic社の同名キットと同一の製品です。米国Transgenomic社が2014年7月に本キットの事業をIDTへ売却した為、本キットはIDT製品サービスのラインナップに加わりました。