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IDT社サイトの使い方 : LNAプローブの設計方法

LNA PrimeTime Probes の受注条件

IDTでは、Locked Nucleic Acid (以下 LNA)を下記の条件下で合成可能です。
  1. 5'末端に蛍光色素、3'末端にクエンチャーがあるDNAオリゴヌクレオチドであること
  2. 長さ:10 ~ 25 塩基
  3. LNA個数:1 ~ 6個
価格・納期等、詳細はこちらをご確認下さい。

(2)(3)については、上記条件から外れても特別注文として合成出来る場合があります。
是非一度配列をお見せ下さい。
LNA Designed
To:japan-cc@idtdna.com  
特別注文となった場合
  1. 最小合成スケール:250nmole
  2. 保証収量:少なくなります
  3. 加算料金:特別注文費用がかかる場合もあります。

LNAプローブのデザインを依頼する方法

こちらの [LNA/デザイン依頼] メールフォームに「種名」、「SNPを中心とした前後200 bpの配列」、及び「アレル情報」をお送り下さい。
設計に少しお時間を頂戴いたしますが、配列を設計させて頂きます。(1?4営業日)
ただ、設計したプローブがSNPsの識別を保証する物ではございませんこと、ご留意下さい。

LNAを含むオリゴDNAのTm値算出法

LNAのTm値を算出するには、下記のツールを用います。
まずは下記のツールにアクセスして下さい。
>> BioPhysics (IDT website)
  1. パラメーターを下記の様に3ヶ所変更して下さい。

    ※上記パラメーターは、一般的なマスターミックスの濃度です。ミックスの濃度が分かっている場合は、その濃度を入力して下さい。
    パラメーターを変更する事で大きくTmが変わるので、出来るだけ正確に入力して下さい。
    このパラメーターによって この様 にTmが変わります。


  2. 設計予定のプローブの配列を入力し、CALCULATE をクリックして下さい。

    ※LNAは塩基の前に「+」を入れて下さい(例:G+GAT...)。
    SNP検出でない場合は、全体に均等にLNAを入れる事をおすすめします。


  3. しばらくすると、下記の様にTm値等が算出されます。



SNPs検出用プローブの作製方法

  1. 今回は、例として下記SNPの検出用プローブを設計したいと思います。
    ※1.GとAのアレルを区別する場合、+GとTの安定性が高く Mismatch と Exact Match でTm値の差が出にくいため、相補鎖側にプローブを設計する必要があります。
    Wild Type:ACCTAAATGCAAGTAGCCACTAAGGAGGCG
    SNP:ACCTAAATGCAAGTCGCCACTAAGGAGGCG

  2. まず、SNPとその両端をLNAにします。
    ACCTAAATGCAAG+T+A+GCCACTAAGGAGGCG

  3. SNPサイトを中心に、左右10bp程度の配列を選択します。
    AAATGCAAG+T+A+GCCACTAAGG

  4. この配列をSequence欄に入力し、その下にあるMismatch, Danglong Endsにチェックを入れます。



  5. INTRODUCE MISMATCHがSequence欄の下部に表示されますのでSNPの相補鎖の塩基を入力します。
    (例では下図の赤四角、Cの相補塩基対のGを入力します)
    その後、CALCURATEをクリックします。




  6. 下記の様な計算結果が表示されます。




  7. 大体の差異を確認したら、長さを調節します。
    出来るだけSNPサイトが中心になるように、両末端からそれぞれ1塩基或いは2塩基ずつ削り、[Mismatch:55℃、Exact match:64~65℃]よりも少し低くなる様にします。
    その際、5'末端はG以外にして下さい。消光作用があるためです。

    さらに、配列を変更する毎に下記の青四角にも塩基を配置して下さい。
    上部がプローブ、下部がサンプルのDNAですが、プローブがハイブリダイズするDNAの両側の塩基もプローブのTm値に関係するためです。


    下図が上記のCALCULATE結果です。

    DNA側の塩基を入力しない場合のTmはこの様になります。

  8. 最後にDNAをLNAに変換します。
    1~3個のLNAを両末端以外でSNPよりできるだけ離す様に配置し、下記条件に合致する配列を探します。
    [Mismatch:55℃以下、Exact match:64~65℃、Difference:10℃以上]

    ピリミジン(T,C)をLNAにするとTmが上昇しやすく、プリン (A,G)は1つ前の塩基がプリンの場合のみTmが上昇しやすいです。
    プリン - プリンLNA の例 (A+G、A+A、G+G、G+A)



各種パラメーターの設定について

  1. バッファーの初期パラメータを変更しないで、Tm値を計算した場合


  2. Mismatch のアレルとTm値の変化
    下記論文のTable1に詳細がございます。
    Yong You et al.,Design of LNA probes that improve mismatch discrimination.Nuc Acid Res.vol.34(8):e60(2006)
    (doi: 10.1093/nar/gkl175)
    +G - T 以外は顕著なTmの乖離が見られます。

  3. テンプレートとなるDNAの両端の塩基を入力しなかった場合

  4. LNAにする場所と上昇するTm値の関係

    2 ~ 5及び11~14について、1塩基ずつA→ +A → T → +T … → +C の順に置換し、それぞれの場所においてLNAに置換した場合、Tmがどの様に変わるのかを調べました。
    例えば、 [ 2. A → +A 1.32 ] は、2塩基目のG を Aと+Aに置換した場合のTmの変化は1.32℃であった事を示しています。

    試行数が少ないため、LNAへの置換位置とTmの変化は分かりませんでした。
    Py (T,C)はLNAにするとTmが上昇しやすくPu (A,G)は1つ前の塩基がPuの場合は、LNAにするとTmが上昇する傾向がありました。