PrimeTime® Gene Expression Master Mix : プローブ法の定量PCR用マスターミックス

製品写真 PrimeTime® Gene Expression Master Mixは、2×濃度のプレミックスタイプの高効率リアルタイムPCR試薬です。マスターミックスには、ホットスタートTaq DNAポリメラーゼ、dNTPs、MgCl2、エンハンサー、安定化試薬が混合されています。
PrimeTime® 5' Nuclease Assayの原理
Prime Time Assay原理1 プライマーとプローブは、配列依存的にDNA配列に相補結合します。
この状態ではプローブは分解されていないため、蛍光色素とクエンチャーは接近して存在しています。
蛍光色素から発せられる蛍光は、クエンチャーに吸収されています。
Prime Time Assay原理2 ポリメラーゼがプライマーから伸長し、DNA合成が開始されます。
Prime Time Assay原理3 ポリメラーゼがプローブのところに来ると、エキソヌクレアーゼ活性により、相補結合しているプローブを分解します。
Prime Time Assay原理4
プローブが分解されると、蛍光色素はクエンチャーから離れます。
クエンチャーとの距離が大きくなるため、クエンチャーによる吸光が制限され、蛍光がリアルタイムPCR装置によって検出されるようになります。

価格
品名容量 反応回数
(20 μL反応系)
Code No.価格(税別)納期予定
1 mL PrimeTime® Gene Expression Master Mix 1 x 1 mL 100回 1055770 ¥12,000 2~3営業日
5 mL PrimeTime® Gene Expression Master Mix 1 x 5 mL 500回 1055772 ¥25,000
25 mL PrimeTime® Gene Expression Master Mix 5 x 5 mL 2,500回 1055771 ¥100,000
500 mL PrimeTime® Gene Expression Master Mix 20 x 25 mL 50,000回 1072102 ¥2,000,000 お問合せ
※大量購入の際はjapan-cc@idtdna.comまでご相談下さい。

発注方法・納品方法
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関連製品
製品写真
  • PrimeTime® qPCR Assays
    リアルタイムPCR - ハイブリダイゼーション法(プローブ法、 5‘ Nuclease Assay法)のセット。
    Primer2本 + Probe1本を、1本のチューブに入れて納品致します。
  • PrimeTime® qPCR Probes
    リアルタイムPCR - ハイブリダイゼーション法(プローブ法、 5‘ Nuclease Assay法)のセット。
    Probeのみを納品致します。

概要・特徴
  • PrimeTime® Gene Expression Master Mixは、リアルタイムPCR - ハイブリダイゼーション法(プローブ法、 5‘ Nuclease Assay法)の実験に最適化されたPCR試薬です。
  • ファストサイクルとスタンダードサイクルの両方に使用可能:ファストサイクルでも高い増幅効率を実現(90~110%)。>> 詳細
  • 他社のProbeと組み合わせての使用も可能です。また様々な機器で使用可能です。>>詳細
  • 2×濃度のマスターミックスには、ホットスタートTaq DNAポリメラーゼ、dNTPs、MgCl2、エンハンサー、安定化試薬が混合されています。またリファレンス色素は別チューブで用意しています。
  • ロバストなPCR試薬ですので、ハイスループットなアプリケーションでオーバーナイトの実験をする際にも役立ちます。反応系を作製して24時間経過後から実験を開始しても反応効率に影響を与えません。
    >>詳細
  • マルチプレックス実験に使用できます。FAM、HEXどちらでも同じ増幅カーブであることを確認しています。
高い増幅効率
PrimeTime® Gene Expression Master Mixはスタンダードサイクルでもファストサイクルでも充分な増幅効率を示します。
高い増幅効率 図1
図1. スタンダードサイクルとファストサイクルにおける高い増幅効率
PrimeTime® qPCR Assays, PrimeTime® Gene Expression Master Mix, refence dye, Templateを混合した試薬を7900HT Real-Time PCR System (Thermo Fisher Scientific) を用いてPCRを行った。 スタンダードサイクル条件:95℃-3分、49*(95℃-15秒、60℃-1分)。
ファストサイクル条件:95℃-3分、49*(95℃-5秒、60℃-30秒)。13アッセイのPCR効率を計算し、スタンダード(赤)とファスト(青)のヒストグラムを示した。TemplateにはcDNA (50-0.016ng)かgBlocks (101-107) を用いた。全てのPCR効率は90-110%であった。またR2>0.99であった。
*PCRは1サイクル毎にTemplateのコピー数を2倍に増幅する技術なので、理論通り2倍に増えた場合はPCR効率は100%ということになります。大体90-110%の効率であれば、PCRは正常に機能していると言えます。


高い増幅効率 図2
図2. スタンダードサイクルとファストサイクルのCq値はほぼ同じ
PrimeTime® qPCR Assays, PrimeTime® Gene Expression Master Mix, refence dye, 希釈したcDNA(50-0.016ng)を混合した試薬を7900HT Real-Time PCR System (Thermo Fisher Scientific) を用いてPCRを行った。 スタンダードサイクル条件:95℃-3分、49*(95℃-15秒、60℃-1分)。 ファストサイクル条件:95℃-3分、49*(95℃-5秒、60℃-30秒)。各濃度のcDNAでスタンダードとファストのCq値を比較したところ、その差は<1であった。

熱安定性(室温-24時間)
PrimeTime® Gene Expression Master Mixは安定したパフォーマンスを発揮します。24時間室温に置いた後でも性能は変わらないので、オーバーナイトの実験やハイスループットなアプリケーションに最適です。
高い増幅効率 図2
A. PrimeTime® HPRT qPCR Assay (FAM-labeled probe; Assay ID: Hs.PT.58v.45621572)
高い増幅効率 図2
A. PrimeTime® HPRT qPCR Assay (FAM-labeled probe; Assay ID: Hs.PT.58v.45621572)
図3. 24時間室温に置いた後でもPrimeTime® Gene Expression Master Mixは信頼性のある結果を示す。
PCRミックスにはPrimeTime® qPCR Assays、PrimeTime® Gene Expression Master Mix、reference dye、そしてさまざまな量のgBlocksが含まれる。JANUS® 自動ワークステーション(Perin Elmer)を用いてPCRプレートに反応試薬を分注した。QuantStudio™ 7 Flex System (Thermo Fisher Scientific)を用いて、分注後、すぐのもの (Day 0)と24時間後のもの(Day 1)で実験した。10コピーより多いTemplateではCq値の標準偏差は0.5未満だった。(A) PrimeTime HPRT qPCR Assayの結果。(B) PrimeTime GUSB qPCR Assayの結果。
熱安定性(55℃-4時間または8時間)
室温での長時間の安定性に加え、55℃で4時間または8時間加熱後のパフォーマンスを実験により確認。PrimeTime® Gene Expression Master Mixは増幅効率を低下させません。また試薬コンポーネントの分解も起こすことなく、熱安定性があります。
高い増幅効率 図2 高い増幅効率 図2
図4. PrimeTime® Gene Expression Master Mixは55℃で4時間または8時間熱をかけた後でも安定したパフォーマンスを示す。
PrimeTime Master MixをPrimeTime qPCR Assay、reference dye、様々な量のcDNA (50-0.08ng) を混合し、PCRを行う前に55℃(4時間または8時間)で加熱したものとしないものを比較した。熱をかけた試薬とかけない試薬の増幅カーブをオーバーレイした結果、両者で差がないことが示された。(A) PrimeTime HPRT qPCR Assayの結果。(B) PrimeTime GUSB qPCR Assayの結果。
プロトコール/MSDS
リアクションミックスの調製
PrimeTime® qPCR Assay の場合
(プライマーとプローブが1本のチューブに入った形態) 

終濃度20μL/反応10μL/反応
PrimeTime® Gene Expression master Mix(2×) 10μL 5μL
PrimeTime® qPCR Assay(20×) 1μL 0.5μL
DNA Template 3pg~100ng 2-5μL 2-4.5μL
Nuclease-Free Water
XμL yμL
Tolal Volume
20μL 10μL

通常のqPCR
(プライマーとプローブが別々のチューブの形態)

終濃度20μL/反応10μL/反応
PrimeTime® Gene Expression master Mix(2×) 10μL 5μL
Forward and reverse primers 各250-1000nM Variable Variable
Probe(s) 各150-250nM Variable Variable
DNA Template 3pg~100ng 2-5μL 2-4μL
Nuclease-Free Water
XμL yμL
Tolal Volume
20μL 10μL
PCR反応条件
<ファストサイクル> 
<スタンダードサイクル> 
ファストサイクル
スタンダードサイクル

製品内容
  • PrimeTime® Gene Expression Master Mix
  • Reference dye stock solution

輸送温度:常温
*常温輸送でもワークする事を確認してあります。



論文紹介 (Citations)


Q&A
Q. Primerの濃度はいくつですか?
A. それぞれ終濃度500nMになるように調製します。

Q. Probeの濃度はいくつですか?
A. 終濃度150-250nMになるように調製します。

Q. PrimeTime® Gene Expression Master MixはデジタルPCRに使用できますか?
A. PrimeTime® Gene Expression Master Mixは2-stepの逆転写qPCR用に開発されたものですので、デジタルPCRにはお薦めしておりません。

Q. PrimeTime® Gene Expression Master Mixは1-stepの逆転写qPCRに使用できますか?
A. PrimeTime® Gene Expression Master Mixは2-stepの逆転写qPCR用に開発されたものですので、1-stepにはお薦めしておりません。1-step用の逆転写酵素は入っておりませんので、mRNAをcDNAに逆転写後、テンプレートとしてご使用ください。

Q. PrimeTime® Gene Expression Master Mixはファストサイクルで使用できますか?
A. 使用できます。詳しい条件はプロトコルをご覧ください。

Q. PrimeTime® Gene Expression Master Mixは他社のqPCR Probeを使用できますか?
A. 使用できます。IDTで他社のqPCR Probeの確認をしております。全てのテストで90-110%の増幅効率のパフォーマンスを発揮しております。

Q. PrimeTime® Gene Expression Master Mixは他のIDT製品と一緒に注文できますか?
A. 可能です。ただ、PrimeTime® Gene Expression Master Mixは代理店様経由の納品となりますので、他のIDT製品とは納期が異なる場合がございます。

Q. PrimeTime® Gene Expression Master Mixはホットスタートポリメラーゼを使用していますか?
A. 使用しております。抗Taqポリメラーゼ抗体を用いるホットスタートを採用しています。PCRサイクルの最初のステップで活性化処理を行います。ホットスタートにより非特異的な増幅やプライマーダイマーを抑制し、特異性と感度を向上します。具体的なサイクルはプロトコルをご覧ください。