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Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) system

サービス概要

Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) system は、これまでCas9では切断することが出来なかった箇所(TTTVやTTTN)の遺伝子を切断できるため、設計の幅が広がります。

Cas12a(Cpf1) gRNA
  • crRNA – Alt-R® A.s. Cas12a(Cpf1) Nuclease V3用の化学合成ガイドRNAです。化学修飾を行っているので、導入後に宿主による分解が起こりにくく、非修飾のガイドRNAよりもゲノム編集効率が良くなります。Cas12a(Cpf1)はcrRNAだけでgRNAとして働きます。

Cas12a(Cpf1) タンパク質
  • Alt-R® S.p. Cas12a(Cpf1) Nuclease V3 – 高純度なリコンビナントのCas12a(Cpf1)タンパク質で「TTTV」(V:A、G、C)を認識します。Cas12a(Cpf1)はAcidaminococcus sp.由来のタンパク質で、Cas9と同様にガイドRNAと複合体を形成してゲノム編集を行います。
  • Alt-R Cas12a® (Cpf1) Ultra – Cas12a Ultraは、「TTTN」を認識するヌクレースです。Cas12a Ultraは室温でも活性があり、LbCpf1と比較しても高い切断活性があります。

Cas12a(Cpf1) キャリアDNA ゲノム編集後の変異検出キット CRISPR-Cas9 System

Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) systemの模式図



Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) systemの特徴

  • PAMがCas9システムと異なるため、ゲノム編集の幅が広がります。
    - Cas12a(Cpf1)システムでは、「TTTV」というPAMを用います。そのため、ATリッチな調節領域やイントロン領域でもゲノム編集を行いやすくなります。

  • Cas12 Ultraでは、「TTTN」を認識します。
    - Cas12a Ultraでは、「TTTN」を切断します。Cas12aよりも切断活性が高く、さらに室温でも活性があります。

  • gRNAが短いので、gRNA費用が抑えられます。(V: A, C, or G)
    - Cas12a(Cpf1)システムでは、gRNAは41~44塩基のcrRNAのみで構成されています。そのため、tracrRNA費用及びgRNA complexの形成を省略できます。

  • 切断箇所が突出末端になります。
    - Cas9 Nucleaseは切断後、平滑末端となりますが、Cas12a(Cpf1) Nucleaseは5'突出末端となります。

  • オフターゲット効果の低減が期待できます。
    Cas12a(Cpf1)を用いたゲノム編集はCas9を用いたゲノム編集と比較して、オフターゲット少ないとDaesik Kimらによって報告されています。[1]

  • crRNAは化学修飾により長時間持続します。
    - Cas12a(Cpf1) crRNAにもヌクレース耐性修飾が付加されています。そのため、より長時間細胞内や受精卵内で機能します。

References
1. Daesik Kim et al., Nature Biotechnology 34, 863–868 (2016) doi:10.1038/nbt.3609

Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) system (gRNA)


Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) crRNA
Cas12a(Cpf1)のgRNAは41~44塩基のcrRNAのみで構成され、Cas9 gRNAと異なりtracrRNAを必要としません。認識領域は21~24塩基で、IDTでは21塩基をお勧めしています。本合製品にはヌクレース耐性修飾が付加されておりますので、非修飾のcrRNAと比較して、宿主内のRNaseによる分解が抑えられます。
なおCas12a(Cpf1)を用いてゲノム編集を行う場合、まずコントロールを用いて系を確立させ、1遺伝子あたり3つ程度ご注文頂くことをお勧めします。

  • 精製グレード:脱塩+ヌクレース耐性修飾
CRISPR crRNA価格
Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) crRNA, 2 nmol ¥9,800
Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) crRNA, 10 nmol ¥13,000

  • 24本以上をご注文の場合、プレートをご利用いただけます。
CRISPR crRNA plate価格
Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) crRNA, 2 nmol, Plate ¥8,300
Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) crRNA, 10 nmol, Plate ¥11,000

納期:5-10営業日

Controls
Positive Controls
Cas12a(Cpf1)によるゲノム編集の系の確立に有用なポジティブコントロール用の配列です。RNP導入量の最適化や実験のトラブルシューティングにもお使いいただけます。ヒト・マウス・ラットのHPRT遺伝子をターゲットにしています。ご注文の際は配列をコピーして頂き、Cas12a(Cpf1) crRNA注文ページからご注文下さい。

配列名配列
Human HPRT1, Cas12a(Cpf1) Positive Control crRNA GGTTAAAGATGGTTAAATGAT
Mouse Hprt, Cas12a(Cpf1) Positive Control crRNA GGATGTTAAGAGTCCCTATCT
Rat Hprt1, Cas12a(Cpf1) Positive Control crRNA ACCGCCCCCCCCATACCCCAA

Control Primer Mixes
ヒト・マウス。・ラットのHPRT増幅用のprimer mixです。

Control PCR primer mixes
価格Cat#
2 nmol (ea.) Alt-R® HPRT PCR Primer Mix Human ¥5,800 1072551
2 nmol (ea.) Alt-R® HPRT PCR Primer Mix Mouse ¥5,800 1072552
2 nmol (ea.) Alt-R® HPRT PCR Primer Mix Rat ¥5,800 1072553

Negative Controls
ヒト・マウス・ラットの配列を避けて設計したネガティブコントロールです。ご注文の際は配列をコピーして頂き、Cas12a(Cpf1) crRNA注文ページからご注文下さい。

配列名配列
Cas12a(Cpf1) Negative Control crRNA #1 CGTTAATCGCGTATAATACGG
Cas12a(Cpf1) Negative Control crRNA #2 CATATTGCGCGTATAGTCGCG
Cas12a(Cpf1) Negative Control crRNA #3 GGCGCGTATAGTCGCGCGTAT


Cas12a(Cpf1) Nuclease


Alt-R® A.s. Cas12a(Cpf1) Nuclease
Alt-R® A.s. Cas12a(Cpf1) Nuclease V3は、Acidaminococcus sp.由来のNucleaseで、PAMとして「TTTV」を認識します。ターゲット配列を含む41~44塩基のRNAをガイドRNAとして必要とします。

核移行シグナル(NLS)とC末端に6-Hisタグを含みます。100 µg の Cas12a nuclease は 633 pmolです。

製品名価格濃度納品形態Cat#
Alt-R® A.s. Cas12a(Cpf1) Nuclease V3, 100 µg ¥23,400 10μg/μL (63µM) 50% グリセロール 1076158
Alt-R® A.s. Cas12a(Cpf1) Nuclease V3, 500 µg ¥83,400 1076159

Alt-R® A.s. Cas12a (Cpf1) Ultra
新しいAlt-R Cas12a (Cpf1) Ultra は、野生型(WT)のA.s. Cas12aと比較して、高いオンターゲット率を誇ります。その切断活性は S.p. Cas9と比較しても遜色ありません。WTが認識するPAMサイトはTTTV(V:A,G,C)でしたが、UltraはTTTTも認識できるようになり、使用用途の幅が広がりました。

さらにUltraは室温でも活性があるため、低い温度で導入が必要な場合にも有用です。

製品名価格濃度納品形態Cat#
Alt-R® A.s. Cas12a (Cpf1) Ultra, 100 µg ¥28,000 10μg/μL (63µM) 50% グリセロール 10001272
Alt-R® A.s. Cas12a(Cpf1) Nuclease Ultra, 500 µg ¥99,000 10001273


Cas12a Ultraでは、切断活性が大幅に向上しました

図1. A.S. Cas12a (Cpf1) Ultra は、JurkatやHEK-293細胞でゲノム編集効率の向上を示す
RNP(RiboNucleoProtein)を、野生型(WT)および Cas12a Ultra (Ultra) を用いて形成した。Jurkat細胞に対しては120箇所、HEK-293細胞に対しては96箇所の遺伝子座に対するcrRNAを用いた。RNP複合体(4µM)をCas12a Electroporation Enhancer と共にNucleofector™ System (Lonza) を用いてJurkat細胞およびHEK-293細胞に導入した。ゲノム編集効率は、イルミナ社の機器を使用したアンプリコンシーケンスによって決定した。グラフの下部に各PAMサイトを示す。


Alt-R® Cas12a(Cpf1) Electroporation Enhancer

エレクトロポレーションでゲノム編集の効率を高める1本鎖DNAです。RNPの導入が難しい宿主や、効率が充分でない時に本製品を用いるとゲノム編集の効率が改善する場合があります。
本製品はCas12a(Cpf1)用に設計されているため、Cas9用のElectroprration Enhancerとは互換性がありません。

製品名 価格 Cat#
Alt-R® Cas12a(Cpf1) Electroporation Enhancer, 2 nmol ¥5,900 1076300
Alt-R® Cas12a(Cpf1) Electroporation Enhancer, 10 nmol ¥17,600 1076301

納期:2~4営業日


エンハンサーの添加とゲノム編集効率

図2.エンハンサーを用いると、Cas12a(Cpf1)エレクトロポレーションの効率は向上する
5 µM のRNPをAmaxa® Nucleofector® systemを用いてHEK-293細胞に導入しました。RNPはCas12a(Cpf1) Nuclease 2 NLS と Alt-R CRISPR-Cas12a(Cpf1) crRNAの複合体で、ユーザーガイド通りに調整しました。HPRT遺伝子に対し、12箇所のPAMサイトをターゲットとし、エンハンサー(3 µM)を加えた場合と加えなかった場合を比較しました。グラフでは、添加:水色、非添加:藍色でゲノム編集効率を示しています。ゲノム編集効率はエレクトロポレーションを用いたRNP導入後48時間後に行い、T7E1アッセイで測定しました。

T7E1アッセイ...CRISPR Genome Editing Detection Kits
AS ... Antisense strand


Alt-R® Genome Editing Detection Kit

ゲノム編集やその効率を簡便に検証するためのキットです。ヘテロ二本鎖を切断する酵素(T7E1)で切断された断片を電気泳動で評価します。CRISPRだけでなく、ゲノム編集全般に使用出来ます。

製品名 価格 Cat# 納期
Alt-R® Genome Editing Detection Kit, 25 rxn ¥16,800 1075931 1~2営業日
Alt-R® Genome Editing Detection Kit, 100 rxn ¥56,000 1075932
Alt-R® Genome Editing Detection Kit, 1000 rxn ¥480,000 1075933 ~2週間

輸送・保管:-20℃

ご注文方法

ウェブサイトからご注文下さい。非常に簡単にご注文頂けます。
>> ウェブサイトの使用方法はこちら

プロトコール・ユーザーガイド

下記ページよりAlt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) System User Guideをご取得下さい。
>> IDT Alt-R® CRISPR-Cas12a(Cpf1) system ページ

リンク先の位置は下記をご参照下さい。

PAMサイトについて

PAMサイトとして「NGG」を持つCas9では、「N」の配列による切断効率の差はありませんでした。しかしながらIDTの社内実験結果では、Cas12a(Cpf1)のPAMサイトがTTTA,TTTC,TTTGの場合と、TTTTでは異なる切断効率が得られました。
Cas12a(Cpf1)を用いたゲノム編集は、Cas9よりも比較的難しいため、ポジティブコントロールを用いて系を確立したのちに、1遺伝子に対して3つのcrRNAをデザインrする事をお勧めします。


図3. CRISPR-Cas12a(Cpf1) Nuclease V3を用いたゲノム編集効率は、PAMサイトとしてTTTA,TTTC,TTTGを用いた時に最大化する
5 µM のRNPをAmaxa® Nucleofector® systemを用いてHEK-293細胞に導入しました。RNPはCas12a(Cpf1) Nuclease 2 NLS と Alt-R CRISPR-Cas12a(Cpf1) crRNAの複合体で、ユーザーガイド通りに調整しました。crRNAは6つの遺伝子を用いて計232箇所作製しました。エレクトロポレーションを行ってから48時間後に、Alt-R® Genome Editing Detection Kitを用いたT7E1アッセイを行ってゲノム編集効率を測定しました。