各社エクソームパネルの比較検討実験の結果


Introduction

 エクソームシーケンスはターゲットシーケンス法において、エクソン領域のみを濃縮・解析する手法です。
全ゲノムシーケンスよりも格段に低コストでありながら、疾患等に関わる多くの重要な配列を詳細に解析できるため、世界中で多くの研究者に採用されています。
 エクソームシーケンス用のプローブセット(パネル)は各社より発売されているため、その品質を比較しました。

比較方法



図1. 実験ワークフロー
 12個のライブラリー調製済みサンプルを、各社エンリッチメント用に分配しました。
プロトコールは各社推奨の方法に従ってキャプチャーを行い、HiSeq® 2500を用いてそれぞれ3,400万リードを取得しました。
 ※I社の場合はプロトコールに従い、2回キャプチャー反応を行っております。


取得データ



図2A. 取得リードの割合とカバレッジ数について
IDTのxGen® Exome Research Panelは、カバレッジの低い領域が少なく、他社プローブで得られたカバレッジと比較して均一で高いカバレッジが得られました。





図2B. カバー出来ている割合とカバレッジについて
ターゲット領域に対して20×以上のカバレッジを取得できた割合を比較すると、IDTのxGen®は93%以上に対して、他社品では71%以下となりました。
IDTのxGen® Exome Research Panelは、最も広い範囲で十分なカバレッジを取得することができています。


図3. 各実験結果における第一エクソンについて
 一般的に第1エクソンのようなGC含量の多い領域はキャプチャーが難しいとされており、他社プローブではほとんどカバレッジを得る事が出来ませんでした。
しかしながらIDTのxGen®プローブは、この様な第一エキソンでもカバレッジを取得できています。これは、全てのプローブにQCチェックを行う事により、プローブが確実に合成出来ている事を確認しているためです。
※図は一例としてRB1遺伝子の結果を示しています。


図4. 各実験結果のオンターゲット率について
 IDTのxGen® Exome Research Panelは、キャプチャーした配列の90%以上がターゲット領域の配列であり、最も良いオンターゲット率を取得することが出来ました。


結果

今回の試行結果よりxGen®プローブは、最も均一なデータを取得でき、かつ高いオンターゲット率を取得できる事が明らかとなりました。
IDTでは、すべてのプローブに対してQCチェックを行っているため、全ての目的プローブがキャプチャープローブのプール内に確実に含まれています。そのため、非常に良い実験結果を得ることが出来ます。非特異な配列をあまりキャプチャーしないため、取得したシーケンスデータが無駄になりません。

また、良好なデータが得られる事でサンプルのマルチプレックス数を増やすことも出来ます。Genome Centerの試算では、ターゲット領域の80%を20×以上のカバレッジ取得を目的とした場合、最大55%コストを抑えることが出来ます。


References

著者:IDT Scientific Writer - Hans Packer, PhD, IDT.
翻訳・監修:浜本 雄次
Analyzing the exome—focus your NGS analysis with high-performance target capture


Additional reading

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インデックスホッピングや低頻度変異の検出に有用なDual Index Apadtersについての説明と、このアダプターを用いて得られた具体的なで実験データを開示しています。

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